10年振りの再施工依頼ではあるが・・・

         常識的には絶対に請けない仕事なんでしょうがねえ・・・その3

 

 施工2日目。幸いにもよい天気となりました。剥離と滑り止め施工を終えたタイルにあの見事なコバルトブルーの面影は全くありません。10年前の大騒動を思い出しながら今回の静かな2日目のスタートに感謝すら思えました。本日も居住者誘導の為、朝から理事長が立ち会ってくれました。理事長に感謝しつつ特殊コーティング作業の準備に入ります。出入り口3か所の一部を通行出来るようにし、2か所は閉鎖して居住者の立ち入りを禁止としました。・・・作業開始。タイルの1枚1枚に塗り込んでいきます。常にパブリックドメインを公表している弊社ですから簡単にメカニズムを説明しましょうか。タイルや石材等は、表面が擦り減って色あせても濡れ色を施せば本来の色を醸し出すのです。今回のテーマは濡れ色を施しコバルトブルー色を復活させ、そのままコバルトブルー色を維持させたまま乾燥させる事です。

 

 今回のテーマでもう1つ重要な事は、コーティング作業後1時間程度で歩行可能な状態に仕上げる事にあります。・・・10年前には問題なく完工したのですが・・・今回は施工中に柵の隙間をかいくぐり、又は柵のポールを押し上げて、施工に無関心な一部の居住者の侵入が相次ぎ、コーティングをやり直したり(重ね塗り)散々な現場となってしまいました。事前に居住者には協力要請をお願いし、理事長にもお手伝いいただき、我々も気を配って作業していたのですが、出入り口が3か所もあり、其々が目隠し状態となる事もあってやむを得ない部分もあるんですがねえ。中には理事長の前のポールを押し除けて現場に入ったりした人もいたなあ。

 

 四苦八苦しながら全床面のコーティングを終え30分乾燥させ表面状態を確認する事にしました。30分後処理後の確認。乾燥後の床面の数ケ所に薄い足跡が浮かび上がっています。何度も塗り重ねた床面にはいくつもの筋交が発生しています。・・・こりゃアカンは~。・・・残念ながらこれでは引き渡し出来ません。・・予算の問題や居住者の協力が得られなかった事とか、施工前より随分綺麗になり元の状態に近くなったとかはもうどうでもいいのです。誰もが納得する状態に仕上げる事が弊社の義務なのです。2日もの間、理事長も手伝ってくれました。弊社を推薦してくれたT氏も心配して立ち寄ってくれました。・・・もう1回やり直しましょう。・・・日を改め居住者対策も十分検討したうえで次回、コーティングの剥離を含め1日で誰もが納得出来る施工をやって見せましょう。

 

 

次回へ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2019年8月 2日 (金)

10年振りの再施工依頼ではあるが・・・

           常識的には絶対に請けない仕事なんでしょうが・・・その4

 

 6月に入り好天気の日、長年私の元で従事してきた連中3名と共に3回目の施工に入りました。前回施工は一部の居住者の無関心が施工を台無しにしてくれました。5月、施工実施を決定した時に、私が私自身に約束した事が本来なら必要のない3回目の施工に繋がったのです。私自身が10年前に四苦八苦し試行錯誤しながら仕上げたPマンションのコバルトブルーのタイルが好きな事。その時の仕事を評価し弊社を推してくれたT氏や居住者の方々の期待を裏切れない事。何があろうとウンチクを言わないと決めていた事の3つがそうです。

 

 今回は1日で全てを完工させる為に色々と準備しました。エポキシの剥離がいかに困難か1回目のブログで記しましたが今回はありません。シリカ系のコーティングがタイルに塗り込んであるだけですから何等問題はありません。類似業者においては大変な事でしょうが・・・。

 

 タイルを痛めないように剥離、滑り止め施工を実施。前回、何度も侵入され分厚く塗り込まれた部分は全員で削り取り、コーティングする為の下地を作り上げ午前中の作業は終了。全員で昼飯を食べに行こうかと思っていた矢先、な・な・なんとT氏の奥様が全員と立ち会ってくれていた理事長の分も含めた数の弁当とお茶を届けてくれたのです。20数年の間、こんなの記憶にありません。驚いたのはもちろんですが、嬉しかったですね。そして大変美味しくいただきました。3回目の施工料金はT氏の奥様から十分にいただきました。有難う御座いました。

 

 さて今回は、前回の件を繰り返さないようコーティング作業を6つに小分けにし、1つ塗り終えたら10分休憩(乾燥させ)し表面が乾いたのを確認できたら養生シートを被せていきました。10分間は全員で管理しているので誰も踏み入る事は出来ません。同じ事を6回繰り返し全面にコーティング処理を施す事が出来ました。コーティングは速乾性としているので養生シートを取り除く事もできたのですが、当日の夜あたりから雨の可能性があったので翌日回収する事にして作業終了としました。

 

 翌日、養生シートの回収とコーティングの仕上がり状況、そして滑り止めのチェックを兼ねて訪問しました。前回目立った薄い足跡も筋交も見当たらず、ほぼ均一にコバルトブルーが出来上がっていました。水を蒔いて滑りの確認。安全レベルで仕上がっています。理事長にも確認していただき、ようやく施工完了となりました。

 

 弊社は一昨年、関西国際空港の第3ターミナルの床面4000平米の滑り止めを依頼され、総勢延18名2晩で施工完了した実績があります。敷設されたタイルはシリコーン系コーティングされたセラミックタイルでした。類似業者には全く手の出せないタイルなのですが、弊社には世間にまだ公開していない施工溶剤技術が多々あります。シリコーン系コーティングを残留させたまま、光沢も99%維持し、滑りもしっかり安全レベルに仕上げました。・・・種明かしをします。・・・事前にメンテナンス業者さんに床面の洗浄をしてもらうようゼネコンに依頼していたのです。そして弊社はただ新技術の溶剤を塗布していっただけなのです。

 

 塗布していった溶剤が乾いてしまうと全て蒸散し、何も残留しないので殆んど水で洗い流す作業がないのです。ゼネコンと関空関係者に確認してもらいましたが、しっかり滑り止め効果ありって事で好評でした。他の滑り止め業者には信じられない世界かもしれませんね。

 

 話がちょっとそれてしまいましたが、弊社には4000平米の広い現場も2晩で仕上げる能力があります。今回のPマンションは80平米しかありません。たかだか80平米であっても床面に何が塗布されているかで、その仕事の内容はコストも含め大きく変化します。実はPマンションに訪問したのは最終日をいれると10回にもなります。エポキシの剥離が主な要因となりますが、限られた予算のなかで事を実施しようとすれば高価な消耗品を使い切る訳にもいかず、自らが身体を張ってやるしかないのです。・・・

 

 今回は私の思い入れのある現場でもあったので仕方ありません。損得抜きの仕事もたまにはいいんでないですか?

 

 

                おわり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2019年7月25日 (木)

10年振りの再施工依頼ではありますが・・・

          常識的には絶対に請けない仕事なんでしょうがね・・・その2

 

 施工当日。本日はエポキシの剥離がメインとなるので総勢5名で臨みました。通常、コーティングやワックス等の剥離は一般的な剥離剤で溶解させ、ポリッシャーを回し、バキュームで吸い上げていけば簡単に取り除く事が出来ます。80平米程度であれば通常1~2名でしかも短時間で作業を終えるレベルです。 エポキシやアクリル系の剥離となるとそう簡単にはいきません。特殊剥離剤を塗布しても柔らかくなるだけで溶解しません。従ってポリッシャー、バキュームが使えないので全てを手作業で取り除いていかなければなりません。しかも剥離剤で一旦柔らかくなったエポキシは時間経過と共に徐々に硬くなっていきます。手早く処理しないと刺激性の強い特殊剥離剤を何度も塗布する事になるので必死です。

 

 全員下向きとなりケレンとスクレバーで手早く取り除いていきますが簡単にはいきません。柔らかくなったエポキシには若干粘りがあります。這いつくばって、剥くっては缶に入れ、剝くっては缶に入れ・・・本来ならば絶対にやらないであろう作業を全員黙々とこなしています。途中、皆の息が上がった所で短時間の休憩を数回とりながら1回目の全床面の剥離作業を終了。1回目?・・・実はエポキシの剥離を他社が嫌がる理由がここにあるのです。溶解しないから、はぎ取る作業をやるわけで、床面の僅かな凹凸部とタイル目地には必ずエポキシが残留します。しかも剥離作業中には残留しているか否か全くわからない。床面が乾いてはじめてあちこちの残留が目に付くのでやっかいなのです。

 

 1回目の剥離作業を終え休憩していると、居住者らしい年配の方が現場を歩行されました。記すべきかどうか思案しましたが記録でもあるので記します。・・・『なんや、目地に残っとるやないけ。契約してやらしとるんやからちゃんとやれ。』・・いやはや・・いきなり唾を吐かれてしまいました。

 

 実はエポキシやアクリル系の剥離の手法としてもっと簡単な方法があります。ダイヤモンドブラシをポリッシャーにセットし高速回転させればある意味、楽にエポキシを除去できたかもしれません。弊社も所有していますが、今回の現場でははじめから使用する予定はありませんでした。たとえ新品のダイヤモンドブラシであっても80平米もあれば1回で使い切ってしまうでしょうかね。・・・予算の半分近くもする様な消耗品はさすがに内藤と言えども今回の予算では使えませんでした。

 

 休憩後、2回目の剥離作業を開始。残留しているエポキシを目地を中心に削り取っていきます。ただ黙々と地味な作業を続け、滑り止め溶剤を塗布可能なレベルになった頃は午後4時半を経過していました。その間にT氏の奥様にお茶の差し入れを頂いたり、理事長には長時間、居住者の誘導をして頂いたりと大変お世話になりました。・・・予算が少なかろうが、何か言わんと気の済まないクレーマーにウンチク言われようが、10年前の弊社の施工を喜んで受け入れてくれた方々の期待を裏切る訳にはいきませんし、私自身がこのコバルトブルーの床材が好きで元のレベルに戻したいと考えているのですから、当然最善は尽くすべきです。

 

 滑り止め溶剤を塗布し、翌日の作業に備えチェックを終え、現場を後にしたのは午後6時を経過していました。本日の持ち合わせた体力は完璧に使い切りました。・・・ああ・疲れた・・・

 

 

 次回へ

 

 

 

 

 

 

 

 

2019年6月10日 (月)

10年振りの再施工依頼ではあるが・・・

                常識的には絶対に請けない仕事なんでしょうがねえ・・・その1

 

 H社からの連絡をうけPマンションの惨状を知った訳ですが、思いは相当に複雑なものがありました。10年前に苦心して完成させた現場が最

近まで美観と安全を維持してくれた事への安堵感と達成感。にもかかわらず弊社の技術を評価せず他社に安易に滑り止めを依頼したH社への不

信感。前回施工した弊社の記録すら残っていないって事はそういう事であり、美観を備えた玄関口にエポキシを採用した件については不勉強と

言わざるをえません。弊社の評価を求めている訳ではありません。弊社の開発した手法を用いた同業他社は多く存在します。私は我々の手法・

工法をエポキシと同様に本件の土俵に上げて検討してほしかったというのが本音です。

 

 5月に入りH社からデモ施工の依頼をうけました。ある意味では、とんでもない依頼と言えます。エポキシを一部剥離し滑り止めを施し、そ

の後防滑を施し、次に防滑性能を維持させた状況でタイルをコバルトブルーに仕立て直すという作業をやってくれとの依頼ですからね。一旦こ

の作業を施すと今回の後始末を弊社がやらせてもらいますって言う意思表示にもなりかねませんからね。・・・

 

 H社の担当者との電話のやり取りの間、私は頭の中で自問自問いする始末。エポキシを80㎡剥離するだけでも大変な作業となる。今回に限

っては予算が少ないし、どこがいくらずつ負担するのか話し合いの最中らしいし、前回(10年前)の施工において学んだ事として、Pマンショ

ンにはカスタマーハラスメントを地でいくようなクレーマーが存する事。エポキシの剥離がなければ何等問題はないのだが・・・等々。

 

 結果的には覚悟を決めました。理由は10年前の弊社の施工を支持し喜んでくれた居住者の方が多く存在する事を理事長が話してくれた事。

中でも10年前に私が記したブログを示し、弊社に連絡をとるよう指示してくれたT氏の期待に応えなくてはいけないと言う気持ちが私の背中を

押したのでしょうか。

 

 デモ施工を実施。驚いたことに当日は現理事長と副理事長・次の理事長まで立ち会ってくれました。私一人で伺った事もあってか私が施工に

専念できるようにバケツを手に数回も水を汲んできてくれました。マンションの散水栓が不調で隣接している公園から汲んでくるしかないから

です。有難い事です。こういう人達の為にも邪念は捨てる事に・・・捨てましょう・

 

 剥離しては乾燥させ、防滑溶剤を塗布しては乾燥させ、コーティングしては乾燥させ、約1㎡のデモ施工終了。コバルトブルーも復活し滑り

止まった。所要時間約3時間。・・・デモ施工を終えて本番を想定。・・・施工日程を2日としたらちょいシンドイか・・。

 

帰宅後、施工を2日でこなす為の対策を検討。

① エポキシの剥離をエポキシ塗布したF社に頼めないかH社に協力を要請。

② 事前に居住者に対し施工への協力要請の徹底。(H社・理事長)

③ エポキシの剥離剤は刺激性が激しい為、作業者に対し安全対策の徹底。

④ 剥離後の回収物の管理。

⑤ 滑り止め施工溶剤の選定。

⑥ コーティング施工時の居住者の現場立ち入りの調整。

               ・・・・ 等。

 

 H社に要請したF社での剥離は”こんな予算では出来ない”と一蹴されたと連絡を受けF社の誠意のなさを痛感。結局F社のケツを拭かされるお人よしを演じる事になってしまいました。・・・そりゃー誰もやらんわなあ~。・・・内藤の心のささやき・・です。

 5月25日・26日施工実施へ

 

次回へ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2019年6月 9日 (日)

10年振りの再施工依頼ではあるが・・・

私の歴史の1ページを飾り自信作でもあった枚方の某マンションのタイルが無残な姿に・・・。


 

 

4月、久しぶりに京都のH社から仕事の電話が入りました。8年振りに電話くれるなんて珍しいこともあるもんです・・・。何事かと思いきや

9年前に施工した枚方市のPマンションの滑り止め施工の相談でした。H社の営業担当者の説明によるとPマンションは今年の1月に他社によ

り滑り止めの施工を実施したとの事。ところが施工後まもなく居住者から不評不満が多発し、再施工の方向へ話が進んだらしい。施工後、日も

浅いので予算の問題もある中、一度現場へ出向き手直し出来るようなら何とかお願いしたいとの事でもあった。

 

 

Pマンションに敷設されているタイルは珪藻土をメインとした塗り床材でコバルトブルーに仕上げられた特殊なものです。9年前施工にあた

り・私自身もそれなりに悩んだ床材です。滑りを止めて且つ、あのすばらしいコバルトブルーを維持しなければ現在の溶剤系滑り止めを世間に

発表、提供した私のプライドが粉砕してしまいます。その後の詳細は9年前8月の私のブログに記していますので省略しますが、あの難しいタ

イルに滑り止め施工を実施した業者がどんな施工をしたのか興味が湧いたので取り急ぎ出向く事にしました。

   

 

Pマンションを訪問するとH社のA氏と理事長が既に待機していましたが、私はタイルを見て我が目を疑いました。真っ青なコバルトブルーが

うす黒い青?に覆われているではありませんか。一体何をしたのか?・・よく見ると全面にエポキシが塗布されています。しかも立ち上がり部

分までご丁寧に塗られています。エポキシ?このタイルにエポキシ?私の頭の中でこの言葉が飛び交いましたよ。”H社も電話くれた際にエポキ

シで滑り止めを実施したと言ってくれたらいいのに”腹立たしさを抑え理事長にどうしたいのか尋ねました。理事長としては施工前に近いブルー

にしてほしいとの事。手直しの為に私が持参した秘密兵器?はエポキシの上にも塗布適用はしますがエポキシそのものが邪魔になります。青色

は少し濃くはなるものの本来のコバルトブルーにはなりません。とりあえず色付けをしてみましたがやはり青色が少し濃くなった程度でした。

 

 

私がこのブログに記す事は、私のノウハウが多少なりとも同業者の方々のヒントになっている事と私の仕事の記録でもある訳ですから苦労した現場は基本としてありのまま記すようにしています。関係者の方々にはご理解くだる様宜しくお願いいたします。

 

 

さて青色は少し濃くなったものの、以前のコバルトブルーには程遠く居住者の皆さんを納得させるレベルには至りませんでした。そもそも

何故に美観を有したマンション出入り口に滑り止めとはいえエポキシを採用したのか?8年もの間、疎遠であった弊社にH社が連絡してきたの

か?そこらの話は次回より記していきたいと思います。

 

 

 

9_ Photo Photo_1

左写真:2009年8月施工後

中央写真:エポキシ塗布現状

右写真:デモ施工一部比較写真

 

2019年1月27日 (日)

滑り止めの達人はメンテナンス業務でも達人であれ!!

            

            おそうじのプロアカデミーに参加します。

滑り止め稼業23年、溶剤開発20年、私も早67歳となりました。時が過ぎゆくのはあっという間です。現役という車のエンジンを切って数年も停止させていると、突然何かを頼まれてもエンジンのスイッチがなかなか入りません。
 おそうじのプロアカデミーの主催者に依頼を受け3か月になりようやく動き出す始末です。それでも私のノウハウやウンチクが滑り止め業者やメンテナンス業者の皆さんに活かされるのであればと、まんねん腰痛と診断された重い腰を上げる事にしました。
 床や壁等に付着する汚れは、貼られているタイルや石材の種類・成分・組成・構造や現場環境によって大きく変化するものです。今回はアカデミーの要望もありますので¨汚れの変化¨について書いてみたいと思います。
 タイル・石材の種類・成分・組成・構造の違いで汚れの何が変化するのか?これが理解出来ればタイル・石材のメンテナンスが前向きに効率的に変化していく筈です。
 次回から違いの1つ1つを私の経験則をもとに記していきますが、かなり大まかなものになると思います。細かく説明するとキリがないのですが、皆さんの疑問、質問には出来るだけ答えていきたいと思います。
次回へ
 
 
 

2016年9月13日 (火)

ME工法の真価は施工して初めて発揮される!

       防滑のトップであり続けたい・・・5

 〃スリップドクター〃は我々の商標でもあります。滑り対策の専門医としての誇りと自信を持って20年ただひたすら邁進してきました。

スリップドクターの重要な責務は、滑りを抑制することだけではありません。滑りを抑制する作業は外科医が手術するのと同じようなものです。もちろん研鑽と臨床経験を幾度も積み上げた外科医の技術力は尊敬に値しますし最も重要であると思います。

 私の申し上げる重要な責務とは手術後の処置です。合併症を防ぎ、元の健康な状態に戻す為にドクターが患者に何をすべきか・・・

 どんな薬品を投与すべきか、リハビリ、術後の経過はどうか、その患者を思う気持ちは患者が退院してから後も続くと聞いています。

 例えが少し大袈裟ではありますが滑り止めの世界も同じでなければならないのです・・・が、アドバイスは出来ても現場が旨く維持出来ていないのが現実でしょうか。・・・それは施工後のメンテナンスを施設の契約業者に委ねるしかない現実があるからです。

 施設側からメンテナンス契約の要請を打診されることも多々ありますが、基本的には辞退しております。メンテナンスを生業としている業者さんの仕事を奪うわけにはいきません。

 そこで契約業者にその現場に適したメンテナンス手法をマニュアル化し渡すのですが旨く行きません。時折抜き打ち的にメンテナンス中の現場に出向いたりもしました。メンテナンスの責任者に何故マニュアルを無視するのか問いかけると〃予算の関係があって無理〃と逃げの口実を言う始末。

 施設と予算の交渉をする勇気がないとも言うとったナ。

 しかたがないので我々が施設と交渉し洗剤等、現場を維持する為に必要なものを直接購入してもらい施設からメンテナンス業者に渡すと言う流れが出来上がってしまうのです。

 看護士(メンテナンス業者)さん〃もっとしっかりしいや。〃〃患者(現場)はアンタ達を頼りにしてまんねんで。〃

 冗談はさておき20年余り私はメンテナンス業者の地位向上を目指してきました。残念ながら独立してメンテナンス業を営む業者が増発し、契約金額の叩きあいが続発する昨今、自分の力量の乏しさに苛立ちすら覚えています。

 メンテナンス(維持管理)の世界も色々あると思います。例えばコンピュータ関係なんか料金上がっても下がる事はないナ。人の頭髪のメンテナンス(散髪屋)もそうやナ。殆ど毛の無い人からも金とりよる。車のメンテナンスなんて結構金かかるけどね。・・・ポリッシャー回しとるメンテナンス業者だけがなんで軽視されるんでしょうかね。美観の維持・安全の維持の為に頑張っとるのに〃なんでやねん〃・・・

 〃なんでやねん〃・・・実は私、メンテナンス業の皆さんの大半はその理由を知っていると思っています。技術不足・知識不足がそうです。そこで次回からは滑り止めの世界を真っ先に突っ走ったセーフティグループを統括する私が経験し克服してきた誤魔化し無しのメンテナンスに役に立つノウハウを少しづつ記していこうと思っています。皆で一流を目指してほしいのです。

次回へ

 

 

 

2016年7月18日 (月)

ME工法の真価値は施工して初めて発揮される!

   防滑のトッププロであり続けたい・・・4(裏切り・・)

 80種もの溶剤を理解させようとした事が仇となり仲間づくりが難しくなりました。・・・世の中は単純で実用性(ニーズ)があり手の届く価であれば商品は大ヒットするのが道理。・・・困窮に拍車をかける出来事が発生しました。

 私が指導をはじめたばかりの代理店が何でも『塗れば止まる』の単純発想で他で代理店ビジネスをはじめたのです。

 頭は悪かったが商売は上手なんでしょう。たった5種程度の溶剤を模造し僅か1年で数億稼いだようです。きちんと模造してくれていたらまだ納得もしたんですが・・・彼等の溶剤を手に入れテストしてみたら、やはり『塗れば止まる』の意味を誤解して理解しておりました。

 溶剤の酸濃度を必要以上にUPしたようで溶剤の中の界面活性剤が分解されていました。通常溶剤を塗れば床面に適量が定着するのですが、彼等の溶剤は水を塗布したかのように〃ちりじり〃に弾いてしまうのです。一体どうしてんだろうと彼等の施工現場を偵察しに行って目を疑いました。モップでべちゃべちゃに溶剤を塗布しているではありませんか。・・・矢で射る鴨を大砲で仕留めるようなものです

 医者は病状を知って適正な処置を施すものです。・・・私が幼少の頃、歯が痛い、頭が痛い風邪ひいたと言えばホイといつも〃正露丸〃出してくれた祖母を思い出します。祖母は何でも正露丸で治ると信じていたようです。(゚▽゚*)

 金儲けであれ何でアレ〃志〃を持つ事はよい事です。しかしながら、数年開発に明け暮れた私の真意、本意を理解せず、供与した施工マニュアルと溶剤のMSDSを乱用し、自分で溶剤を触らず化学メーカーに持ち込み製造を委託する等・・・無茶をやりおったのです。

 委託されたメーカーは床材(患者)を全く知りませんから彼等が〃いじくりまくった〃MSDSを基にびっくりするほど大きな正露丸を作り続けたのです。

 ちなみに以前に紹介したことですが〃もっと強く〃何分待つの?〃とか言った用語は彼等の溶剤(正露丸)がもたらした言葉なのです。溶剤が適正であれば強弱も時間も関係ないのです。

 医者(我々)は患者の病気(床材)が何なのか問診(現場調査)し診断(テスト施工)します。そこで病名(施工方法と溶剤の決定)が判断されるのです。治療(施工)が終わると薬(洗剤等)と処方箋(メンテナンスマニュアル)を出し患者に指示し患者はその指示を遵守し励行することで病気が治る(安全維持)のです。

 即ち、我々は多くの経験と豊富な知識を持ち得る医者(スリップドクター)でなければならないのです。

 

 

 次回へ続く

 

2016年7月11日 (月)

ME工法の真価値は施工して初めて発揮される!

      防滑のトッププロであり続けたい・・・3

 床材を覚えるのはそう簡単ではありません。♪上を向いて歩こう・・かの有名な坂本九の代表的な一曲ですが、21年前たった一枚のタイルに魅せられ心を奪われた私の応援歌となりました。・・♪下を向いて歩こう・・濡れたら滑りそうなモノないか・・・てな訳で外にいて歩く時はいつも下ばかり見てました。(笑)

 気になるタイルを見つけると即効でタイル販売店に直行。注文してはそのタイルに適応する溶剤のテスティングを繰り返す毎日を2年ほど続けたと思います。

 その結果、以前にも紹介したように私の実験室は床が抜け落ちんばかりのタイル・石材で埋もれる?ハメと相成りました。(笑)

 だんご3兄弟ではないけれど同じシリカと言うDNAを持ちながら、組成構造及び粒子形の相違・焼成温度と焼成時間等々多くの条件変化により溶剤反応がことごとく変化する様は興味をそそるし面白い。

 面白くて楽しくって平成11年半ば頃には80種余りの溶剤をつくっていましたね。・・・80種もの溶剤をつくった?・・・手前味噌ながら内藤さん凄いって思ったりしましたよ。(笑)

 弾(用意すべき溶剤)も出来たし次のステップ(仲間づくり)へ足を進めた直後、いくつかの大きな問題に直面しました。

 数社の代理店に5日間の研修を課しスタートしたのですが、皆なかなか理解してくれません。・・・GM(米国)レベルの塗ったら止まるは理解しよるのですが内藤流の適正適応のウンチクになると難しがってしまうのです。・・・80種もの溶剤をすべて使ってもらう為にその基本的な部分を指導したのですが・・・頭の固いいや失礼 (^-^; 生真面目な皆さんには受け入れにくいものと映ったようでした。

その4へ続く

 

 

 

2016年3月26日 (土)

ME工法の真価値は施工して初めて発揮される

     防滑のトッププロであり続けたい・・・2

 技術力を公言する二つ目の理由。我々は受注した現場に敷設される床材に合わせ適正反応する施工溶剤をその都度調合製造が出来るレベルにあります。

 防滑における技術力の主役は間違いなく〃適正溶剤〃であり一つ一つの溶剤には其々に作った根拠(翼)が存在するのです。単に防滑効果の強弱を表現するのは簡単な事です。

 最近業界に新規参入された皆さんを魅了した防滑の技術とはなんなのでしょうか。どんな根拠(翼)が付いているのでしょうか。一つ一つの溶剤がどの床材を対象に作られたのか不明である以上単純に強力な防滑効果に目を奪われたのでしょうね。

 防滑施工に使用する溶剤は適正に反応する溶剤である事は勿論ですが、1回の塗布量と塗布面積、そして塗布の際における力の加減も重要なポイントとなりますそれさえ出来ればいかなる床材であっても時間を気にせず、最後までただ塗布していけばいいのです。

 本章の1で防滑施工に技術はいらない、誰にでも出来ると記したのは上記の前提があっての事です。

 〃そんな事は研修で教えてもらったワ〃・・・優秀な皆さんは口を揃えてそう言うでしょね。弊社には10年を超える代理店が殆どですが未だに四苦八苦しながらやってますよ。

 技術はいらない、誰にでも出来ると言っておきながら未だに四苦八苦っておかしいと思われるでしょうね。弊社の代理店のデキが悪いのか?いいえそうではありません。私は相当の親バカではありますが、子供達(代理店)はトップランナー揃いと胸を張って言えます。

 20年間トラブル発生が〃ゼロ〃の実績が彼等の能力・実力を証明しているのです。四苦八苦を楽しんで頑張っているのです。

 10年選手が四苦八苦している姿はある意味前向きであって〃声援〃を送らずにはおれないのです。まして私は親バカですから。

 四苦八苦の理由は施工溶剤の選択にあります。

 そして適正溶剤の選択が防滑施工の優劣を決定させるのです。幾千幾万にも及ぶ床材に適した溶剤の選択は施工経験だけでは判断しにくいものです。〃床材を知れば溶剤との反応を想定出来るより安心し安定した施工を目指し10年選手の四苦八苦の努力は続いているのです。

 現場の床材は年々変化していきます。従って必ずしも私の指導通りにいくとは限らないのです。トッププロを目指し代理店がどんな行動をしているのか・・・以降に記していきたいと思います。

つづく

 

 

«ME工法の真価値は施工して初めて発揮される