滑り対策は実社会の緊急テーマ

2011年6月 4日 (土)

13年目の再施工!!

           よく頑張ってくれましたね・・・その2

 さて施工当日となりました。通常の倍の頭数10名で対応する事にし、ポリッシャー3台(黒パット使用)と高圧洗浄機1台も準備しました。施工溶剤は石化した汚れに対応可能とする為に、ああだ、こうだと考えながら作り上げたセーフティのスペシャルバージョン(現在のSP2レベル)を準備。更に事前洗浄用として石化した汚れを軟化させる溶剤(???)を試しに別途作ってみましたが・・・さて?どうなることやら・・・(^-^;

 事前洗浄を徹底するのが今回私の主テーマ?でもあるので全員フル稼働で洗浄にあたりました。しかしながら思うように石化した汚れは落ちてくれません。用意した黒パットが1枚2枚とすり減っていきます。早朝8時から作業を始めて6枚準備した黒パットを全て使い切った頃には12時を少し回っていたと思います。今思えば、ぶっ通しで4時間もかけてタイルの洗浄をしたのは後にも先にもこの現場だけです。・・・で・どうなったかって言うと、50%は完璧に除去出来ましたが、他は残念ながら・・・残留させてしまいました。言い訳にしかなりませんが滑り止め施工に入れるレベルにはなっています。

 午後、滑り止め施工に入りました。ここで私が思ったのは、滑り止め溶剤の反応性で残留した部分が少し減ってくれるのではないかって事です。期待しながら滑り止め溶剤を塗り始めました。塗布量は通常より多めにし、擦るように塗布していきました。全て塗り終えた時は腕がパンパンでしたよ。そして再度ポリッシャーを時間をかけゆっくりと回していきました。

 防滑効果の確認を済ませ、中和洗浄の為再度ポリッシャーをかけていきました。メンバーは全員無言のまま済々と作業に取り組んでいます。・・・『今日は何回ポリッシャーかけとるんやろ』・・・誰もが思っていたと思います。・・・17時に作業終了となり施設の担当者の確認を受けます。担当者は満面の笑顔を見せ喜んでくれました・・・が、実は黒ずんだ汚れはまだ残っているのです。施工においては最善を尽くしましたが・・・残念でなりません。しかしながら担当者は・・・『ここまで綺麗にしていただいて感謝します。』・・・本当に謙虚な人ですよね。

 滑り止め施工の終了はメンテナンスの始まりでもあります。その後、月1回の施設の休館日に合わせて、施設担当者に依頼されたメンテナンスの手法を担当者が理解し易い内容にし、その内容を基本に現場でのレクチャーを数回実施しました。

 ・・・あれから12年も月日が流れ、施設の担当者も何人か代わられたようです。突然の再施工依頼の電話に懐かしさもあって嬉しかったですね。久しぶりに調査の為施設を訪れました。早速プールサイドに足を走らせました。・・・あの時苦労したタイルがどう変化したのか早く見たいと思ったんです。・・『また汚れとるんかなぁ』・・そう思いながらドアを開けました。

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2011年6月 1日 (水)

13年目の再施工!!

          よく頑張ってくれましたね・・・その1

 兵庫県川西市の教育委員会から市民プールの滑り止め施工の打診を受けたのは確か平成11年の5月であったと思います。・・・当時現調の為現場に赴いた時の私の印象と言えば、滑る・汚い・臭う・の3要素全てがそこに揃っていましたね。

 なかでも圧巻だったのは、プールサイドの至る所に白い粉状のものが点在していたので施設担当者に〃あれは何か?〃と訊ねると返ってきた返事が〃あれは塩素です。〃・・・これには驚きましたね。要するにアルカリ成分で洗うように指示されていたので塩素を使っていると言うのです。・・・確かに塩素はアルカリ成分ではありますが体脂肪を乳化させる能力はありません。・・・しかも約340平米のタイル表面の30%は石化した汚れで黒ずんでいます。

 当時も現在もそうですが、この市民プールのメンテナンスは施設のスタッフによって実行されているのです。メンテナンスのプロ的な人材は1人として存在しません。滑り止め施工をするにしても石化した汚れをある程度は除去する必要がありますし、防滑効果を維持させるためにはメンテナンスを理解し得る人材を育てる必要があります。・・・さてさてどうしたものか正直悩みましたね。

 悩んでいるうちに川西市の方から施工決定の連絡が入ってきました。ある意味〃腹をくくって〃打ち合わせの為に市民プールへ赴きました。施工日、施工時間帯等々淡々と話は進み難題のメンテナンスへと入っていきます。・・・『ところでメンテナンスの事なんですが』・・・担当者は神妙な顔で私に問いかけてきました。・・・『ちゃんと指導をさせてはいただきますが、その前に今、メンテナンスをどうされているのか教えてください。』・・・私は滑る・汚い・臭うの3点がどうして発生したのか知りたかったのです。・・・すると担当者は制約された予算の関係からスタッフで床の洗浄をする選択をした経緯から、落ちない汚れにメンテナンスの難しさを痛感している事等、率直に答えてくれました。・・・そして彼は『お願いします。教えてください。』と業者である私に頭を下げるんです。なんと謙虚な人なんでしょうね。・・・

 まぁ何と言うか、そこまでされたら九州男児の男気をくすぶられますよ。・・・と言う訳で今回の施工は滑り止め以外の作業が大勢を占める事になりました。石化し黒ずんだ汚れ除去対策の為に日程の調整をお願いし、ついでに施工後のメンテナンスについてスタッフが理解し易い内容まとめてマニュアル化してあげる事にしました。・・・実はこれが現在のセーフティ流メンテナンスマニュアルの先駆けとなったのです。

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2011年2月25日 (金)

高級マンションの床は磨きの黒御影だった・・・

        黒御影(インパラブラック)の施工

 SLIPOUT滑り止め洗剤の販社からメールが入っていました。注文してきたのはメンテナンス業者さんで、撮影した磨きの黒御影らしい写真が2枚入っています。早速いつもの様に販社のF氏に確認の為に電話を入れました。・・

 『写真ではハッキリと判断出来ないけど黒御影なの?』と聞けば『はい。黒御影です。』と答えが返ってきました。・・・黒御影石だけでも数十種あるので『じゃぁ黒御影の何なの?』と意地悪して彼に問い返しますと『ン?・・・黒御影です』・・・とまぁ予定通りの返事が返ってきました。(o^-^o)・・・そのうち少しくらいは石(床材)の種類を覚えてくれれば有り難いんやけどナァ・・・なんて思いながら一応いつものやり取りを交わします。・・・磨きらしいし、施工予定先も近いし、見に行ってやる事にしました。

 現場は億ションって言うか高級感溢れるマンションです。一階部分の壁と床に磨きのインパラブラックがバランスよく敷設されています。・・・『こりゃぁ素人にはチョイ難しいかもナ』・・・なんて思いながら現場調査を終えました。

 施工するのはSULIPOUTを注文してきたメンテナンス業者さんです。基本的にメンテナンス業者さんであれば誰にでも施工が出来るようにSLIPOUTの販売については2つの条件を付けています。

 1つ目は現場敷設の床材の写真を送って頂く事、2つ目は弊社とヒヤリングをする事の2つが必須条件です。床材によってはSLIPOUTの配合の調整が必要になる場合もありますし、メンテナンスのプロと言えども滑り止めの作業経験が無いか、未熟であれば弊社のサポートが必然である事は言うまでもありません。・・・本来磨きの自然石を施工する場合はリスク回避の意味を含め、弊社が請け負う事が多いのですが、今回はメンテナンス業者さんが今後に活かす為にも是非チャレンジしたいとの事でした。

 滑り止めの施工において最も重要な事は、使用する溶剤が現場に敷設された床材に適合するか否かです。〃適合〃と言うのは、ほぼピッタリを意味するもので、強いか弱いかではありません。100平米でも1000平米でも関係なく塗っていけば良いわけで、タイムラグが何時間あっても塗り始めと終わりの床の仕上がりが同じものでなければ〃適合溶剤〃とは言えません。溶剤の反応性が強いので薄めて使うとか、塗布後の時間に影響があるようでは、仕上がりも良くないし、安定・安心した作業は出来ません。

 従って今回は磨きのインパラブラックに適合したSLIPOUTを提供する事になりました。弊社が床の写真の提供を求める理由はここにあるのです。磨きの石なので、感覚的に塗布量を覚えたいとメンテナンス業者さんの依頼があったので出張料金を条件に現場指導をする事になりました。これは2つ目のヒヤリングにおいて決定した事でいつも出張する訳ではありません。

 さて施工当日となりました。メンテナンス業者さん、ユニフォームもバッチリ揃っていて流石ですなぁ。・・・説明をし、少し作業の手本をみせてあげると、手馴れているって言うか、どんどんと作業が進んでいきます。これまた流石ですなぁ。60平米程度でしたので3時間程で作業の全てが完了しました。

 30分程経過した頃、マンションの理事長が視察に見えられました。そして開口一番・・・『あれっもう終わってるの?』・・・それもその筈です。黒い色と光沢が95%レベルで残っているので施工前と施工後の変化がよく分からないのです。そこでメンテナンス業者さんが水を撒いて理事長にスリップの確認を御願いしました。理事長が不思議そうに首を傾け、何度も何度も床に足を擦り付けている姿を見ながら我々は現場を後にしました。

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2010年2月 9日 (火)

セーフティは何でも屋???

      0年前の壁色にしてほしい??

 直近の話です。親交のある某大手ゼネコンさんから新ネタを頂戴しました。改修工事で止む得ず、某大手ホテルの石壁を数平米張り替えたが、その箇所だけが白く目立って、壁全体における色のバランスが悪くなったとして、ホテル側から苦情を呈された。セーフティさん何とかしてくれんか・・・。

 このホテルは、当地に歴史を刻む老舗。新設当初の真白き石壁も、50年の時を重ね、茶ボケした何とも言えぬ風情を醸し出しています。その壁の中央部が突然、真っ白になったもんで、一気にバランスが悪くなりホテル側が慌てたんです。

 さて、慌てたのは私も同じですよ。だって今まで経験した事が無いのですからね。・・・さっそく弊社関連の石材屋・塗装屋・メンテナンス関連業者・リフォーム業者等々、彼等の過去の経験則の中に良いアイデアがないか尋ねてみました。・・・皆さんの見解としては、大変に難しいので止めた方が良いのでは・・・って事に・・・なりました。

 止めろって言われると・・・悪ガキの頃から私の好奇心は、より一層旺盛になるんです。無(無知)だからと逃げては何も生まれません。過去15年間の滑り止めに関わる全てのノウハウの蓄積も〃ゼロ(無)〃から始まった事ですから。・・・反対を背にサンプルの真白き石を10個調達してきました。

 50年もの間に、真っ白な石(花崗岩)は、酸化しやや錆び色に黄変しています。その黄変した中に、適当な数々の汚れが付き、風情ある色合いを演出しているのです。タイルを例として挙げれば、イタリアのテラコッタみたいなもんですかね。

 熟成されたモノを補修するには、補修剤も熟成したモノを使うのが適正であろうと考えました。・・・さて、薄い錆び色を出すのに何を使えば良いのか?・・・その他の汚れ色に何を使ったら良いのか?色の遠近をどう演出すべきか?・・・何かしら考えていたら楽しくなってきましてね。・・・タバコのスイカスを集めては1日水に漬け、いい色が出たらガーゼで絞り、そこへ醤油を適量入れ、鍋に入れて煮詰めてみました。・・・真っ白な石に刷毛で軽く塗ってみると・・・なかなか良い感じの下地が出来たじゃア~リマせんか。その後、チョコチョコ手を加え良い感じのサンプルが出来上がりました。

 さっそく仕上がったサンプルをゼネコンさんに持参し、評価を伺う事にしました。・・・『えーリアルだなぁ』・・・歓喜の第一声を頂戴し、張り替えた現場へ色合わせのチェックに向かいました。古いオリジナルの石にサンプルを貼り付けると、旨く馴染んで全く見分ける事ができません。ホテルの関係者も感激してくれて、その日のうちに特殊補修工事として仕事が決まりました。

 私的には、こんなんで仕事を貰って良いのだろうかと思っていました。・・が、ゼネコンの担当者が『10年前にも同様の出来事があり、その時に石屋さんが補修した石がこれなんョ.』・・・ゼネコン担当者が指差した先には、ハッキリと色目の違う石が・・・ありました。

 また一つ私の引き出しが増えたような気がしました。大げさで手前味噌でもありますが、〃無から生まれた発想が世界を創造して来たんだ〃と、前向きに思考する私故に、人に笑われたり失敗を重ねる事も度々です。・・・が、もともと素人で白紙であった私の紙が、ほんの少し色づいているように感じます。・・・1つ1つコツコツと何かをこなす度に色がついて行くんでしょうが、残りの人生を考えると最終的には真っ赤には染まりきれず、極薄のピンクでピリオドを打つんでしょうね。それ故に、受け継ぐ人達に期待するしかないのです。

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2010年1月 6日 (水)

パブリックドメイン!?

            アナタ何故怒らないの??

 先日もある人から言われました。・・・『内藤さん、何でもっとガード固めないの?』・・・いつも私を気付かってくれる有難い友人です。・・・でもね、私如きのノウハウなんて本来、現場に携わっていれば自然と身に付くものですし、料理の世界と同じようなもんです。

 例えば、火加減と、少しの塩加減。出汁に何を使うか、食材をどう使うか。何で切るか、どう切るか。何で煮るか、どれくらい煮るか。スパイスは何を使うか、どれくらい使うか。皿はどれを使うか、どう盛るか等々。・・・アイデアと工夫次第で如何様にも変えることが出来ます。滑り止めの世界も料理の世界も、お客様が安心してくれて、そして満足し喜んでくれてナンボなんですよね。その為に如何に工夫を凝らすか考え、そして何度も繰り返し実践するうちに、その一つ一つがノウハウとなっただけです。知的財産でも何でも無いと私的には思っていますし、滑り止め業界の発展に繋がるのなら、業界で共有しても全く問題ないと私は考えています。

 だからと言って、私と同じ味が出せるか否かは別問題ですけどね。ただ、お客様のニーズ(趣向)は其々違いますから、如何なる味であってもお客様が満足すれば、それはそれでOKとすべきだと思います。

 私が多くの人達に対し、無防備に近いレベルでノウハウを伝授する背景には上記の思考があるからです。ですから、呆れる事は数多くあっても怒るって事は殆どないですね。

 〃パブリックドメイン〃ですよ。・・・でも残念なのは、10年経っても滑り止め業界のハードルが全く上がって来ない事です。決して不況だけが原因では無いと思いますが・・・・。

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2010年1月 5日 (火)

謹賀新年

               新年のご挨拶

皆さん明けましておめでとう御座います。本年も宜しくお願い致します。

 昨年も厳しい経済環境の中、お蔭様で何とか耐え抜くことが出来ました。新年を迎えられた事に感謝し、更に続くであろう長い不況のトンネルを如何に掻い潜っていくか、知恵と力量をフルに搾り出し、そして戦い抜く覚悟の一年でもあろうかと考えます。更なるご支援、ご指導を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

 愛想も何も無い文字だけのブログではありますが、本年も出来る限り書いて行こうと思っていますので、又一年お付き合いいただきますよう重ねて宜しくお願い申し上げます。

2009年12月25日 (金)

国宝級お寺の滑り止め!

     100年分の汚れが歴史を語る??その2

 静観とした広大な境内に投光機の灯かりが点り、幻想的な雰囲気の中で施工開始です。今回使用する施工溶剤は、比重1.25レベルのものです。目的は、滑りを抑制するのは当然ですが、長年にわたり花崗岩に浸み込んだ汚れを穿り出す(ほじくりだす)為です。

 ビシャン(たたき)仕上げや、バーナー仕上げの床面は、面が凹凸であるが故に、汚水は吸収され易くなり、結合粒子の隙間のあちこちに滞留蓄積します。その為に、出来るだけ溶剤を花崗岩の奥まで送り込んでやる必要があるのです。そして穿り出す為に大きな役割を担うのが、重炭酸ナトリウムです。中和の際に発生する炭酸ガスが、石の中の汚れを掻き出してくれるのです。

 溶剤を床に捻じ込む意味で、擦りながら塗布していきます。5分程度すると溶剤反応の影響で汚れが浮き出てきて、床面はどす黒くなってきます。そこへ重炭酸ナトリウム水溶液を散布し、ポリッシャーをまわしていくと、チョコレートのペースト状の汚れで埋め尽くされました。間髪入れずペースト状の汚れをバキュウムで吸い上げていきます。炭酸ガスで掻き出した汚れが再び床内に吸収される前に回収する・・・重要なポイントです。

 さすがに100年分の汚れともなると見事な色を醸し出してくれるものです。洗浄後の床はスッキリと、100年前の顔を取り戻しました。もちろん滑り止めの効果も復活です。

 歴史ある建造物と、経年に伴い創り上げられた風情(侘び寂)と言うのは、尊厳を演出するものです。例え滑り易くなったとは言え、床の一部分だけ100年前の姿に戻ってしまったんですから、複雑な思いが無い訳ではありません。これも時代推移にあって、現社会から要求されるテーマであり、仏様もしかたならずや・・・とボヤイていらっしゃるかも知れませんね。・・・・・・南無阿弥陀仏・南無阿弥陀仏

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2009年12月22日 (火)

国宝級お寺の滑り止め!

    100年分の汚れが歴史を語る??その1

 先月の施工先の一つに、古い歴史を誇る有名なお寺がありました。百年ぶりの大改修の一環として、滑り止めを検討。そして弊社をご指名頂いた次第です。国宝級のお寺と言うこともあり慎重な打ち合わせを重ねました。

 滑り止めの対象となる敷石は、小豆島と付近の塩飽諸島から切り出された花崗岩でビシャン(たたき)仕上げとなっています。敷石、礎石をはじめ建造に関わる全ての資材は、当時の全国の門徒さん達の寄贈によるものです。

 養生をどうするか、溶剤をどのレベルに設定するか、弊社においても慎重に検討しました。中でも、とりわけ困惑したのが、鯉の生息するお堀の養生です。敷石の延長先にお堀があり、お堀に向かって勾配があります。しかも、お堀の際に立ち上がりは一切無いので、排水は直接お堀に流れてしまいます。・・・そこで思いついたのが、6年前の手法です。一応私のノウハウですので、ヒントだけ書きます。竹を使いました。竹をどう使うのかは皆さんが考えてみてください。・・・一滴の排水も漏らすことなく旨くいきましたよ。

 さて施工は、お寺の拝観が終わってからって事で、夜の作業となりました。セキュリティーの関係上、全ての門が閉鎖されました。お寺故にいっそう静観とします。投光機の灯かりの下施工開始です。

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2009年12月16日 (水)

現代は第3の情報鎖国???

      こんな難しいのできるか??その2

 さて、S社の有難い?申し出にMさんは、・・・嬉しくって舞い上がってしまったみたいです。何故かって言うと、彼は提示された磨きの山西黒とギャラクシーに、適正に反応する滑り止め溶剤の配合調整を既に承知していたからなんです。

 さっそく2種類の石を持ち帰ったMさんは、私に一報入れてきました。事情を話した後に彼は、・・・『大事な取引先であるから、まずは内藤統括にサンプル施工をして頂きたい』と言うんです。ある意味では千才一隅のチャンスかも知れませんが、あえて私は『あなたがサンプルを作りなさい』と指示しました。材料になる溶剤はMさんの会社に揃っていますし、旨くできたら彼自信の成長に繋がります。

 数十分後にMさんから電話が入ってきました。なんとも明るい声で・・『統括、出来ました。殆ど光沢と色の誤差はありません。滑りも完璧に止まっています』・・新米の弟子とは言え、石に関してはプロです。プロの目をもって彼が報告してきたんですから間違いはないでしょう。・・・『よかったね。後はしっかりS社に説明してね』・・・これでMさんが、少しでも自信って言うか確信をもってくれたら有難いと思います。

 数日後、Mさんは自分で作ったサンプルをS社に持参しました。サンプルをみたS社の反応は・・・予想通り驚いたようです。ただS社の担当者が・・・確かに今までの物とは違うね。・・で、これ何分おいたの?・・・何分おいたの?って聞かれてもMさんは答えようがなかったみたいです。我々セーフティの世界に、溶剤を塗布し、何分後に洗わないと石の表面状態が変わるって事がないからです。数百平米もあるような現場で、塗布した溶剤の反応時間を気にしていたら仕事になりません。塗布開始から10分放置しても10時間放置しても、最後に洗ったら全ての床の表面状態が同じでないと安心して作業できないし、作業時間も無駄に費やすだけになります。バラツキも出るでしょうね。

何分??・・・実はこれも前回に書いた〃刷り込み〃なんです。・・・俗に〃大は小を兼ねる〃等と言う諺がありますが、ケミカルの世界では通用しません。〃定量配合された溶剤の薬品反応〃と言うのは、水で希釈しても殆ど変わりません。ただし、水の蒸散の時間により、早いか、遅いかのズレと反応量の大・小の違いはあると思います。ある一定の溶剤しか無い類似業者の皆さんは、その溶剤を何倍かに薄めて、多種類の床材に使うんですね。だから何分って事になるんです。・・・十数年前の私も同じ事をしていました。サンプルの1枚2枚作る程度なら何とか・・・ならなかったですね。だから作ろうと思いました。・・・以前のブログで書きましたが、開発に明け暮れ、石やタイルに囲まれた日々を数年おくりましたよ。

 MさんがS社に新風(本当は新しくはないんですが・・・)を吹き込んで、これが今後の石材業界の発展に寄与してくれるなら最高に嬉しく思います。

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2009年12月 7日 (月)

現代は第3の情報鎖国???

      こんな難しいの出来るか??その1

 先日、東京の弟子が面白い事を言ってきたので少し書いてみます。社用で、大手石材会社S社に出向いた折の話です。

 『Mさん最近、防滑の仕事やりだしたんだってね。』・・・弟子のMさんは『はい。関西を拠点にしている大阪セーフティの下で始めました。』・・・S社の責任者は『大阪セーフティ?聞いた事ないなぁ。大丈夫かいな。』・・・立て続けにS社の管理者が・・・『今まで、かなりの数の会社が営業にきたけど、何処も同じようなレベルだよ。特に磨きの石なんかは、光沢や色合いが変化してしまうし、業者自体もかなり神経使って作業している割には、弊社が納得するレベルに仕上がらないのよね。』・・・

 Mさんは石材の販売施工を業としています。以前、初めての研修の折に、数種類の磨きの石を持参し、私にサンプルテストさせた経緯があります。もちろんMさんの面前で溶剤を全ての石材毎に調整し、テストしました。全てのサンプルの光沢・色合いを維持しつつ滑りを止めるって言う、Mさんにとっては摩訶不思議なテストでしたが・・・納得し、感激したMさんでした。

 自信満々で大阪セーフティの開発能力と、ハードルの高さをS社にアピールしたものの・・・伝わらない。理解されない。理解しようともしない現実を突きつけられたんです。5~6年もの間、関東に進出した類似の業者さんによる刷り込み(インプリント)が、S社の探究心を封鎖し、それ以上の存在を知ろうとしない、言わば閉ざされた情報の現実があるのです。

 S社の責任者がおもむろに・・・『Mさん、今まで来た全ての業者が挑戦し、玉砕した石材があるんだけどね。駄目(出来ない)だとは思うけど挑戦してみる?』・・・そう言って部下に嘲笑しながら指示し、持ってこさせたのが、磨きの山西黒とギャラクシー(共に花崗岩)です。・・・『この2種類で私を納得させられたら、これからのS社の防滑の仕事、全部Mさんにやってもらうよ。』

 内藤の独り言

 知らないと言うのは大口をも招くんですね。本当に仕事出してくれるんでしょうかね。?・・そんなもん10年も前に出来てるワイ。・・現代社会は、まさに第3の情報鎖国時代?なのかもしれませんね。①徳川家光②2次大戦③現代となりますが、①の時代であっても、自国防衛の意味において他国の情報は不可欠です。従って、唯一開港した長崎の出島には、常に斬新な情報があり、それを求めて集まった全国のツワモノを育んでいきました。言わば情報に最も飢えていた時代だったのです。②の時代は最悪な時代です。軍部により情報閉鎖され、国民は正しい情報を得る手段を閉ざされました。しかしながら短波は止める事は出来ません。終戦は短波で情報を得ていた昭和天皇の決断だったと言う説もあります。③の現代は、①・② とは全く正反対。情報過多が原因で、正しい情報が見つけにくいのです。パソコンを操っている筈が、パソコンに振り回されて、いつでも簡単に得られる情報に真実を見出せず・・・・いずれにせよ、正しい情報を得る為には、いつの時代においても、其れなりの努力が必要であるって事です。

 さてS社の有難い?申し出に、Mさんのとった行動は・・・・

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